【伊豆の暮らし】(その1)

通算30年の海外駐在生活を終え、最後の赴任地オランダから本帰国し、東伊豆に永住をきめてから20年が経ちました。我が家があるのは、海岸から急峻に立ち上がる山の斜面を開発した、海抜150メートルの高台です。こじんまりとした、どこか味わいのある別荘地の一角にあります。背後には天城連山の遠笠山や万三郎岳‣万次郎岳がどっしりと控え、その姿は私の故郷の山を思いださせ懐かしい。

2階のリビングの窓からは、こんもりと茂った緑の木々の先に青い海が広がり、正面には利島と新島が浮かんでいます。さらに海を隔てた遥か彼方には、式根島、神津島へと続く島々のつながりが一望できます。この海と島の眺めは、60年前に船でシンガポール湾に入港した早朝6時半、甲板からシンガポールの島を見たときの、鳥肌が立つほどの感動を呼び覚まします。シンガポール、あのときの熱帯の感動は、いつも私の胸の中に生き続けています。

ここでの生活は、「終の棲家は都会ではなく、豊かな自然のなかで過ごしたい」という私たち夫婦の願いを十二分に満足させてくれています。生物学者・福岡伸一氏の唱える「ピュシス(自然)」の中で、自分も他の生き物と同じように、自然に生かされていることを実感する日々です。

次回は、「なぜここを選んだのか」を含め、伊豆での日常生活のリアルについてお話します。

「一日を一生と思って生きよ」酒井雄哉・大阿闍梨

コメント

タイトルとURLをコピーしました