今年6月、天皇皇后両陛下が、オランダとベルギーを公式訪問されました。ウイリアム・アレクサンダーオランダ国王夫妻主催の晩さん会での陛下の「特にオランダでは、今なお当時の痛みを負い続けている人々もおられることに思いをいたしたいと思います。過去の歴史から謙虚に学びながら理解を深め、平和を愛する心を育んでいくことが大切ではないかと思います。」というお言葉。さらに、両陛下は、翌日アムステルダムの戦没者記念碑の前で1分半にわたり,深い黙祷を捧げられました。
先の大戦から80年以上が経過した今もなお、皇室が世代を超えて真摯に歴史と向き合い、痛みに寄り添い続けられているお姿に、私は深い感銘と共鳴を覚えずにはおられませんでした。同時に、歴史が突きつける厳しさを、改めて思い知りました。
また、オランダでの出来事は、私の「古い旅の記憶」を呼び起こしました。今から約60年前にシンガポールを旅した時、とある果物屋の店主とのやり取りの中で、家族が「シンガポール華僑粛清(しゅくせい)事件」の犠牲者の一人であることを知りました。先の大戦の深い傷を負い続けている人が、東南アジアにもいるのです。
両陛下のお姿、そして私自身の旅の原体験を経て、私たちは今歴史とどのように向き合い、何を学び、それをどのように未来に活かすべきかを考えてみたいと思います。
(つづき)「歴史の事実を全く知らなかった私」



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