歴史を直視し、歴史を学ぶことの大切さ(4)

「歴史を知らなかった」は通らない。これからのアジア・世界との交流

オランダやヨーロッパの多くの国々には、先の大戦の歴史を語り継ぐ社会的な仕組みがあります。しかし、日本にはこのような仕組みがありません。また我々80歳以上の世代は、「学校で現代史を学んできませんでした」。歴史を知ろうとすれば、自分で学ばなければなりません。これからの世界は、お互いの歴史を知り、学び、信頼を深めることが不可欠になってくると思います。したがって、日本社会も「歴史への向き合い方」の総合的な仕組みを早急に構築しなければならないと思います。

アジア諸国との結びつきは、これまでのような「安い労働力」や「インバウンドの経済効果」といった経済的な視点重視の関係から、日本社会のさまざまな分野における労働者不足を補う「人材確保」「人材育成」特に「介護分野」の人材確保など、日本の社会システムにかかわる関係が予測されます。「国と国の関係」、「個人と個人との関係」において、今以上の信頼関係が必要になります。

サイゴン
ペナン

これから、私たちがアジアをはじめとする世界の人々と真に対等で、信頼しあえる関係を築いていくためには、まず私たち自身が「歴史を積極的に学ぶこと」が必要だと思います。過去の事実から目を背けず、それを踏まえた上で、目の前にいる人々に向き合っていかなければなりません。日本行の旅客船の甲板で出会ったシンガポールの若い女性が言った「今の日本は好きだが、戦争中の日本軍は憎い」という言葉。オランダのアパートの女性が語った、「日本人がどんな人かを知りたかった」と言った言葉。私たちは、これらの人に誠実に答えていかなければならないと思います。

プノンペン
ジャカルタ

近年、「ジャパンファースト」自国第一主義を叫ぶ風潮がみられます。自分の国を愛すること、誇りに思うことは素晴らしいことだと思います。しかし、その根底には、過去の自国の歴史や他国が被った痛みなどを正しく学ぶことが欠かせません。「そんな歴史は知らなかった」は、もう通らないと思います。陛下が、示された「歴史に向き合う」とは、自国の都合の良い部分だけを見るのではなく、不都合な過去も含めて直視することだと理解しています。なによりも、日本人一人一人に、自分から積極的に歴史を学ぶことが求められていいるのではないでしょうか。(おわり)

コメント

タイトルとURLをコピーしました